2011年2月26日土曜日

幻の美術館

備前平野に春を呼ぶと言われる西大寺の会陽の翌日、陽気に誘われて、西大寺にある「范曽美術館」へ。
中国人物画の鬼才と呼ばれる范曽氏の作品を集めた美術館。
范曽氏は豊かな歴史的素養に基づいた人物画と、格調高い書に加え、詩や文章にも通じた“三絶の人”と称えられていて、後楽園の名称の由来となった「先憂後楽」の言葉を遺した北宋の名臣・范仲淹の直系の子孫でもあるとか…。
故松田基氏のコレクションを展観しているのだが、年に3日、会陽の前後に会館することから、「幻」の美術館と呼ばれている。
その、人物画の題材になっているのが、史記や水滸伝、三国志、それに漢詩の世界。
なぜか、小学生の頃からこの世界が好きで水滸伝なんかは何度読み返したことか…(笑)
っで、その縁もあって大学では東洋史専攻(ほとんど勉強してません)。
子供の頃にわくわくしながら読んでいた世界がそこに…。
垓下の戦い項羽の傍に虞美人が寄り添う姿や、水滸伝の魯智深。
そのほかにも、画面空間を一気に切り裂いたように描かれた達磨、力強い鍾馗…。
中国の歴史の奥深さと范曽氏の筆の力を思う存分楽しむことができた。


それにしても幻にしておくのはもったいない…。。。

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