兵庫県篠山市にある兵庫陶芸美術館で開催中の北大路魯山人展に行った。
自宅から約160キロ。
久々に車でのロングドライブ。
兵庫陶芸美術館は日本六古窯の一つ立杭焼の窯元が集まる場所にある。
収蔵品は全但〈ぜんたん〉バス株式会社の当時の社長田中寛氏が昭和41年に創設した、「(財)兵庫県陶芸館」からの寄贈および購入による陶磁器913件が中心。
まー、それはさて置き、とにかく広い。
4万9000平方メートルの敷地に展示棟や研修棟、工房、茶室などを備えている。
山の斜面を利用し、展示スペースは1階、2階、地下1階とあり、その展示棟とは別に管理棟などがある。
今回の特別展は魯山人の没後50年の全国巡回展の最後。
会期末に入ったこともあり、私が到着した時には一番遠くのバス駐車場しか停める場所が無いほど。
ガードマンが立つ入り口から急峻な坂を汗をかきかき上り、チケット売り場へ。
ここからエレベーターに乗り1階展示室入り口に続く渡り廊下へ。
っで、廊下を渡るとやっと入り口(忍者屋敷か!)。
とにかく建物に圧倒されながら、まずは最初の展示室へ。
没後50年を記念した魯山人の業績回顧ってことで、出品点数がすごい数。
最初に魯山人が世に出るきっかけとなった書から篆刻、絵、それに陶芸…と総点数は*点にのぼる。
魯山人のすごいところは、それらすべてに師匠と呼べる者に就いていないこと。
独学の中から既存の枠にとらわれない自分のスタイルを作り出しただけでなく、その道の誰もまねできない領域にまで技術、感性を高めた。
焼きものなどを見ていると、いろいろな陶土を混ぜる事で新たな土の可能性を引き出してみたり…なんて、普通タブーだろうが、どの焼きものにも属していない者の自由さというか…。
この辺りが許される事自体、魯山人の突き抜けた感性…なのだろうと感じる。
何年か前に笠岡市立竹喬美術館で魯山人展が開かれた。
この時は確か、世田谷美術館所蔵のものを中心とした展示だったが、今回は個人蔵の品物が圧倒的多数。
散り散りバラバラになったものを再度集め直し、それぞれの時代やテーマに組み直したものだ。
世田谷の物は洗練された器などが多かったように記憶しているが、今回は日常に使う雑器のような物も多く、星岡茶寮の空気を偲ぶ事ができた。
物は器で食わせろ…とは時そばに出てくる言葉だが…器を見ながらお腹いっぱいになった。
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