2011年5月8日日曜日

笠岡市立竹喬美術館で「秋野不矩展」

笠岡市立竹喬美術館で開催中の「秋野不矩展」に行く。
インドを多く描いた女性日本画家。
ずば抜けて印象的な色遣い、そして、異国の地への好奇心が特徴的な画家だ。
中でも私はアフガニスタン風景、カミの泉、土の祈り、ヴァラーハ(ヴィシュヌ化身)の4作品がお気に入り。
アフガニスタン風景は荒涼として乾いた空気感…日本では絶対感じることの出来ないような土埃舞う…そんな風景を見事な色彩で描いている。
カミの泉は乾いた風景の中にポツリポツリとある泉…この泉に空の色が見事に映し出され…さらに遙か遠くには地平線が…。
土の祈りは土壁の町の乾燥しきった空気と、日差しと陰…。
ヴァラーハ(ヴィシュヌ化身)は圧倒的な存在感を色遣いで表現…。
すべて、日本にいたのでは感じることの出来ない異国の色であり空気だ。
児島虎次郎を見た時にも感じたが、画家のインスピレーションを引き出す異国の光と色彩がここにもあった。
たぶん秋野不矩にとってもインドの地がそうだったのだろう。
画家の感性と光と色彩の運命的な出会いが、すばらしい作品となった…と。

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